[ストーリー(あらすじ)]
1954年から始まったアルジェリア戦争(フランスからの独立戦争)は、泥沼の状態に陥っていた。フランス本国では、第二次世界大戦の後遺症により、疲弊した社会に暮らす国民世論は二分し、フランス第四共和政は崩壊し、シャルル・ド・ゴールが大統領に就任したことにより、第五共和政が開始された。
アルジェリア現地駐留フランス軍のエリート将軍たちは、戦費拡大による財政破綻を懸念したド・ゴールの弱腰政策を強く批判し、一度、フランスに引き上げられてしまう。彼らは、OAS(Organisation de l'armee secrete)という秘密軍事組織を結成し、地下組織化し、アルジェリアにおいてテロ活動を続けていた。それと同時に、フランス国内でも政権転覆を狙い、対ド・ゴールへのテロ活動も行っていた。
しかし、1963年、エリート軍人チリー大佐によるド・ゴール暗殺失敗、そして、さらにチリー大佐の逮捕と処刑の報を聞いたOAS幹部たちは、オーストリアの潜伏先で、OASという組織はもはや壊滅状態にあり、組織内部の動きは、仏警察当局にダダ漏れですぐに察知されてしまうことから、組織外のプロの暗殺者を雇うことを決める。
国籍不明で、本名も年齢も不詳だが、狙撃の腕が超一流の国際テロリストが居ることがわかった。早速、裏社会を通じて、その男にコンタクトを取り、巨額報酬にてド・ゴール暗殺を依頼する。その男とは、コードネーム「ジャッカル」と呼ばれるプロのスナイパーで、数々の暗殺事件に関与してきても、決してその痕跡を残すことはなかった。
OASの資金作りのための銀行襲撃や、ローマに移動し潜伏した後、全く動きを見せないOAS幹部たちに不審な気配を感じた仏警察当局は、OAS幹部のボディガードを拉致し、拷問して尋問する。彼の意味不明のあえぎ声の中から、弱体化したOASが、最近、外部のプロの暗殺者を雇ったこと、それが「ジャッカル」と呼ばれていることを初めて知る。フランス国家治安対策の高級官僚たちは、早速、対策会議を開き、ジャッカルの行動を阻止するために、捜査実績の高いルベル警視を指名し、フランスにおける全捜査指揮権を与えた。
ルベル警視は、世界中の警察と連携し、徹底した捜査を行い、ジャッカルの入国を阻止しようとするが、ジャッカルの巧妙な工作活動により、フランス国内へと潜入されてしまう。そして、何度もジャッカルを追い詰めるが、あと一歩のところで逃げられてしまう。そして、ついに訪れたド・ゴール暗殺の決行日に、ジャッカルが取った行動とは・・・。
この映画の見所は、途中まで全くの実話である史実と、何と言っても孤独なスナイパーであるジャッカルの淡々とした隠密行動がカッコいい。実在する国際テロリスト「カルロス」をモデルにしたと言われ、実在するカルロスも、インターポールが血まなこになって探していたが、1994年まで決して捕まらなかった。ちなみに、実在するカルロスは、終身刑を受けて、2011年現在も、フランスの刑務所にて収監されている。
ジャッカルの日 [DVD]
