このサイトでは、歴史の闇に埋れている本当に面白い社会派サスペンス映画を紹介していきます。
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フレンチ・コネクション

フレンチ・コネクション(原題:The French Connection)とは、実在するニューヨーク市警(NYPD)麻薬捜査課の刑事エドワード・イーガンとサルヴァトーレ・グロッソが、フランスから密輸された大量の麻薬を押収した実際の事件をモデルにしたロビン・ムーア原作のノンフィクション映画である。このイーガンとグロッソの両NYPD刑事は、映画製作時には、アドバイザーとして積極的に協力しており、現場で起こったことが如実に再現され、真に迫るすばらしい作品となった。そして、その評価は高く、アカデミー賞を5部門も受賞した。

[ストーリー(あらすじ)]
ニューヨーク市警(NYPD)で「ポパイ」とアダ名されているドイル刑事(ジーン・ハックマン)は、犯罪捜査のためならば、暴力的なやり方も厭わない、少々荒っぽい刑事だった。そのドイルが、相棒のラソー刑事(ロイ・シャイダー)とともに、ある麻薬の売人を逮捕したことから、「フレンチ・コネクション」と呼ばれるアメリカとフランスを結ぶ壮大な麻薬密輸ルートの存在に気がつき、この大組織である国際麻薬シンジケートの黒幕・シャルニエ(フェルナンド・レイ)という謎の男の存在が浮かび上がってきた。

シャルニエ逮捕に全力を上げるドイルとラソーは、執念の捜査を開始する。そして、一方、アメリカの警察が動いていることを察知したシャルニエは、これ以上、捜査の手が自分と組織に迫ってくることを恐れ、殺し屋・ニコリ(マルセル・ボズッフィ)をドイルたちのもとへ差し向けるのだが・・・。

この映画は、実際に検挙された国際麻薬事件をノンフィクションのシナリオとし、そして、その事件を実際に担当したニューヨーク市警(NYPD)の刑事2人が制作アドバイザーとして映画へ参加することにより、刑事モノである作品の精度がさらに上がり、名優ジーン・ハックマンの演技も冴え、実際の事件でありながら、実にテンポの良いサスペンス・アクション映画の傑作として高い評価を得ることとなった。アカデミー賞5部門受賞は、決して伊達ではない。シリアスな麻薬問題を描く社会派サスペンスでありながら、誰もが楽しめる大衆娯楽作品ともなっている。

※ちなみに、制作アドバイザーとして参加した実在するニューヨーク市警(NYPD)の刑事2人は、フレンチ・コネクション3部作すべてにアドバイザーとして参加している。

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ボストンの絞殺魔

絞殺魔(原題:The Boston Strangler)とは、1960年代、アメリカニューヨーク州ボストンで実際に起こった連続殺人事件(ボストン絞殺魔事件)を映画化した実録モノの映画のことである。

[ストーリー(あらすじ)]
1962年、アメリカのマサチューセッツ州ボストン市で、最初、一人暮らしの高齢女性ばかりを狙った連続殺人事件が発生した。この連続殺人事件は、合計13人もの被害者を出してしまう。しかも、7人目からの被害者は、20代前半のいずれも若い女性ばかりであった。この事件は特殊で奇妙なものだった。押し入った形跡は一切なく、被害者女性たちが、なぜか犯人を自分の意思で自室に招き入れているらしいこと。そして、首を締めた紐やロープを「外科結び」と呼ばれる特殊な結び方で被害者の首に巻き付けていたこと。そして、被害者を強姦するのではなく、ワインボトルを性器に入れたりするなどの猟奇的な性的陵辱を行っていたこと。

この連続殺人事件の発生により、ボストン市民は恐怖におののき、得体の知れない犯人のことを「ボストンの絞殺魔」と呼んだ。この事件の捜査は難航する。ボストン市警と州検事局は、手当たり次第に前科のある異常性欲者や不審人物を捕らえて来て、尋問するが、いずれも事件とは無関係のシロの人物ばかりであった。捜査に行き詰まった警察当局は、1960年代に活躍した犯罪捜査を専門とするサイキック(超能力者)・ピーター・フルコスまで動員するが、結局、真犯人を逮捕することはできなかった。捜査は、完全に暗礁に乗り上げてしまう。

事件は、すわコールドケース(迷宮事件)入りかと思われた頃、リー・ベイリーという一人の弁護士から1本の電話があった。自分が担当している服役中の囚人が、世間を騒がしているボストン絞殺魔が、刑務所内の自分と同房に居て、自分の犯した犯罪をぺらぺらしゃべっているというのである。早速、この弁護士が該当人物に面会したところ、あっさり罪を白状したとのである。犯人の名前は、アルバート・デサルヴォ。この件が明るみに出て、1964年11月に逮捕される。しかも、このデサルヴォは、別の連続強姦事件の犯人として、すでに逮捕されていたのである。

しかし、逮捕されて以後のデサルヴォは、自分には全く身に覚えがないと自白をひっくり返して潔白を主張する。物証ゼロの難事件を解決に導くためには、もはや犯人の自供のみであり、この役目を引き受けたのが、ボトムリーという一人の州検事局検事であった。ボトムリーはデサルヴォを取り調べ、巧みに供述を引き出してゆくのだが・・・。

この映画は、ニューヨーク・ボストンで実際に起こった連続女性絞殺事件を、その事件の発端から犯人逮捕までドキュメンタリータッチで描いた秀逸なサスペンス映画である。名匠リチャード・フライシャー監督の代表作であり、犯人とそれを追い詰める側の心理描写を非常にうまく描いている。

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ミシシッピ・バーニング

ミシシッピ・バーニング(原題:Mississippi Burning)とは、1964年に、アメリカ・ミシシッピー州のある田舎町で公民権運動家の黒人3人が殺害された実際の事件をモデルにしたノンフィクション映画のことである。

[ストーリー(あらすじ)]
1964年、フリーダム・サマー「自由の夏」と呼ばれる公民権運動の嵐が吹き荒れる中、アメリカ・ミシシッピー州ジュサップの町で、3人の黒人・公民権運動家が行方不明となった。ところが、その町では、依然として、まだ人種差別が行われていた。事態を重く見たFBIは、この事件を捜査するために、保安官からのたたき上げであるベテラン捜査官ルパート・アンダーソン(ジーン・ハックマン)と、若手エリートのアラン・ウォード(ウィレム・デフォー)捜査官を派遣した。

3人の黒人・公民権運動家が失踪した田舎町ジュサップの人々は、FBIの捜査に対して非協力なだけでなく、“よそ者”である捜査官たちに対して明らさまに敵意を見せてきた。さらに事件の捜査を続けるこの2人の刑事に対し、町の白人至上主義者たちによる秘密結社クー・クラックス・クラン(KKK)と町の警察官たちは共謀し、意図的にFBIの捜査を妨害しようとしてくる。

しかし、2人のFBI捜査官は、失踪した3人の行方を究明しようとしながら、敵対する人種差別主義者をも追いつめていくのだった。2人の執念の操作によって、浮かび上がる驚くべき人種差別の実態とは・・・。

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ジャッカルの日

ジャッカルの日(原題:The Day Of The Jackal)は、自身の素顔や痕跡を消し去り、絶対に捕まらないと言われてきた実在の国際テロリスト「カルロス」をモデルにしたフレデリック・フォーサイス原作のスナイパー映画である。

[ストーリー(あらすじ)]
1954年から始まったアルジェリア戦争(フランスからの独立戦争)は、泥沼の状態に陥っていた。フランス本国では、第二次世界大戦の後遺症により、疲弊した社会に暮らす国民世論は二分し、フランス第四共和政は崩壊し、シャルル・ド・ゴールが大統領に就任したことにより、第五共和政が開始された。

アルジェリア現地駐留フランス軍のエリート将軍たちは、戦費拡大による財政破綻を懸念したド・ゴールの弱腰政策を強く批判し、一度、フランスに引き上げられてしまう。彼らは、OAS(Organisation de l'armee secrete)という秘密軍事組織を結成し、地下組織化し、アルジェリアにおいてテロ活動を続けていた。それと同時に、フランス国内でも政権転覆を狙い、対ド・ゴールへのテロ活動も行っていた。

しかし、1963年、エリート軍人チリー大佐によるド・ゴール暗殺失敗、そして、さらにチリー大佐の逮捕と処刑の報を聞いたOAS幹部たちは、オーストリアの潜伏先で、OASという組織はもはや壊滅状態にあり、組織内部の動きは、仏警察当局にダダ漏れですぐに察知されてしまうことから、組織外のプロの暗殺者を雇うことを決める。

国籍不明で、本名も年齢も不詳だが、狙撃の腕が超一流の国際テロリストが居ることがわかった。早速、裏社会を通じて、その男にコンタクトを取り、巨額報酬にてド・ゴール暗殺を依頼する。その男とは、コードネーム「ジャッカル」と呼ばれるプロのスナイパーで、数々の暗殺事件に関与してきても、決してその痕跡を残すことはなかった。

OASの資金作りのための銀行襲撃や、ローマに移動し潜伏した後、全く動きを見せないOAS幹部たちに不審な気配を感じた仏警察当局は、OAS幹部のボディガードを拉致し、拷問して尋問する。彼の意味不明のあえぎ声の中から、弱体化したOASが、最近、外部のプロの暗殺者を雇ったこと、それが「ジャッカル」と呼ばれていることを初めて知る。フランス国家治安対策の高級官僚たちは、早速、対策会議を開き、ジャッカルの行動を阻止するために、捜査実績の高いルベル警視を指名し、フランスにおける全捜査指揮権を与えた。

ルベル警視は、世界中の警察と連携し、徹底した捜査を行い、ジャッカルの入国を阻止しようとするが、ジャッカルの巧妙な工作活動により、フランス国内へと潜入されてしまう。そして、何度もジャッカルを追い詰めるが、あと一歩のところで逃げられてしまう。そして、ついに訪れたド・ゴール暗殺の決行日に、ジャッカルが取った行動とは・・・。

この映画の見所は、途中まで全くの実話である史実と、何と言っても孤独なスナイパーであるジャッカルの淡々とした隠密行動がカッコいい。実在する国際テロリスト「カルロス」をモデルにしたと言われ、実在するカルロスも、インターポールが血まなこになって探していたが、1994年まで決して捕まらなかった。ちなみに、実在するカルロスは、終身刑を受けて、2011年現在も、フランスの刑務所にて収監されている。

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オデッサ・ファイル

オデッサ・ファイル(原題:The Odessa File )とは、第二次世界大戦後、ナチスによる秘密組織を立ち上げ、名前や住所を変え、別人に成りすまし、新生ドイツ社会にて、なにくわぬ顔をして生活していたナチス戦犯たちの全貌を暴き、法廷へと追い詰めてきたユダヤ人たちの執念の歴史に基づいて書かれたフレデリック・フォーサイスの代表的ベストセラーを映画化した社会派映画である。

[ストーリー(あらすじ)]
第二次世界大戦中、ドイツ降伏直前、ナチス政権下でユダヤ人の絶滅政策を遂行してきたナチ親衛隊(SS隊員)の幹部たちは、連合国軍の追及を逃れるため、コードネーム「オデッサ」と呼ばれる秘密組織を立ち上げていた。その目的は、戦犯とされる元SS隊員たちの国外脱出や、新生ドイツ社会への不可知的浸透を支援し、名誉回復のためのプロパガンダ活動を行うという庇護組織であった。

西ドイツ人のフリーライター、ペーター・ミラーは、一人のユダヤ老人の自殺に遭遇し、その残された日記から、この老人がナチ強制収容所から解放された一人であること、そして、戦犯である当時の収容所所長エドゥアルト・ロシュマンは、なんと司法の追及を逃れ、現在でも、新生ドイツ国内で堂々と偽名で生活している事実を知り、隠された闇の事実に興味を持つようになる。

ロシュマンの所在をなんとかつかもうとするペーターは、組織のことを嗅ぎ回る内に、逆に「オデッサ」に妨害されて、調査が頓挫することになる。そんな危険な中で、調査中に知り合ったユダヤ人過激派グループの力を借り、特殊ゲリラ訓練を受け、元SS隊員になりすまし、闇の組織「オデッサ」へと潜入していく。ペーターは、「オデッサ」が放つ殺し屋に何度も殺されかけるが、モサド(MOSADO=実在するイスラエル秘密諜報機関)の人間に助けられる。はたして、ペーターは、ロシュマンの居場所をつかみ、司法の手に渡すことができるのか?また、闇の組織「オデッサ」の対イスラエルへ向けた恐ろしい計画とは?・・・。

この映画は、ナチスのホロコーストという重い戦争犯罪の史実と、次のような理由で、ただのサスペンス・アクション映画に収まらない重厚さを醸し出している。それは、作品中にも顔を出す、生涯で約1100人のナチス戦犯の逮捕に貢献したと言われている実在のサイモン・ヴィーゼンタールのナチス戦犯追及活動であったり、「リガの屠殺人」と呼ばれたエドゥアルト・ロシュマンは、実在のナチス戦犯であり、当時のナチス戦犯の多くがそうしていたように、南米大陸アルゼンチンに海外逃亡をしていた事実がありのままに描かれていることである。

また、この作品の執筆・出版・映画化に関しては、作者のフォーサイスの元へ多くの脅迫状が届いたと言う有名な実話がある。

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BBC・世界に衝撃を与えた日・8 黒い九月の始まりとロッカビー事件

 世界に衝撃を与えた日をピックアップして贈るドキュメンタリーシリーズの第8巻。本作では、パレスチナの過激派組織「黒い九月」による世界最大の同時多発ハイジャック事件について描いている。

黒い九月事件の詳しい経緯については、こちらの記事を参照して下さい。

[ストーリー(あらすじ)]
 1970年9月12日の午後3時、5機の旅客機と乗客700人以上の乗客を巻き込んだ同時多発ハイジャック事件が発生した。ロイター電で、この情報が世界に配信されると、世界の各国市民は衝撃を受けることとなった。1週間にわたる国際交渉と瀬戸際政策の後、世界中が注視している中で、3機の旅客機が、砂漠にある滑走路で爆破された。

 旅客機を奪い、操縦していたのは、それまで全く知られていなかった組織・パレスチナ解放人民戦線(PFLP)のゲリラグループであった。彼らの目的は、至極単純なもので、“パレスチナの人々の権利を世界に認識させること”、そして、“各国に収監されているPFLPの活動家とハイジャックの実行犯を釈放させること”であった。そして、度重なる交渉の末、テロリストたちは、この目的を遂げ、世界に彼らの名を轟かせることに成功する。このことは、同時に、黒い九月(ブラックセプテンバー)が生まれることをも意味していた。

 そして、この事件を契機に、初めて欧米各国政府が、人質の人命救出を優先することにより、テロリストの要求に屈服するという異常事態を発生させてしまった。

 この番組では、旅客機が爆破されるまでの最後の24時間を、初めて再現している。個人的な日記を始め、イギリス諜報部の極秘文書、ハイジャック犯の個人ファイルを検証し、人質、ジャーナリスト、各国政府大臣へのインタビューを行いながら、世界史上、最大のハイジャック事件を忠実に再現し、謎に包まれた黒い九月(ブラックセプテンバー)の出自を完璧に描いている。

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ミュンヘン(映画)

 「ミュンヘン」(原題:Munich)とは、実在したパレスチナゲリラ「黒い九月」(ブラック・セプテンバー)が、1972年9月に引き起こしたミュンヘンオリンピック・イスラエル選手団殺害事件への報復措置として、イスラエル政府は、暗殺チームを編成し、テロリスト11人を一人ずつ消して行くことを決定した。この実際のテロリスト連続暗殺事件を著したジョージ・ジョナスによるノンフィクション小説『標的(ターゲット)は11人―モサド暗殺チームの記録』を原作とし、スティーヴン・スピルバーグが映像化した実話映画のことである。

黒い九月事件の詳しい経緯については、こちらの記事を参照して下さい。

[ストーリー(あらすじ)]
 ミュンヘンオリンピックにおける黒い九月事件を受けて、激怒したイスラエル政府は、報復措置を行うことを決定した。報復措置の内容は、テロリストたちの暗殺である。イスラエル秘密情報機関「モサド」は、秘密裏にテロリスト暗殺チームを編成する。実在した暗殺チームのリーダー・アヴナーは、運転がプロ並みのスティーブ、爆弾に通じるロバート、後の遺体処理・偽装係であるカール、文書偽造のハンスとともに作戦を実行する。
 第一の作戦の標的は、ローマの翻訳家ワエル・ズワイテルであった。待ち伏せし、サイレンサー付きの拳銃で、音もなく射殺する。
 第二の作戦の標的は、PLOパリ代表部幹部のハムシャリで、ロバートの提案で爆薬が使われることになり、電話に仕掛けることにした。しかし、ハムシャリの娘が誤爆で殺される危険を辛うじて回避し、娘でなくハムシャリの耳元で爆弾を炸裂させることに成功する。
 第三の作戦の標的は、レバノン・ベイルートのPLO本体であった。PLOの内部抗争を偽装し、PLOコマンドーに成りすまし、潜入したアパートでの襲撃暗殺計画であった。PLOのスポークスマンであったカマル・ナセルを含む標的3人は殺害できた。
 第四の作戦の標的は、ギリシア・キプロスのホテルにいたPLO幹部であった。標的は、ベランダからアヴナーと紳士的なあいさつを交わすほどであったが、ベッド下に仕掛けた爆薬の量を多く取り過ぎ、標的殺害ばかりか関係のないキプロス市民にまで大怪我を負わすこととなる。
 第五の作戦は、ギリシア・アテネでも実行された。作戦前に紹介された宿の一室で、アヴナーチームは別の一行と出くわし、その一行は、ANCとPLOのメンバーであることを明かすが、アヴナーチームは機転をきかし、自身らをIRAメンバーと騙り、正体を知られることなく、情報を引き出すことに成功する。しかし、相手のメンバーの男から、イスラエル勢力に母国を奪われてきたパレスチナ人としての悲惨な境遇もまた直に聞くこととなる。アテネでの作戦は成功するが、どれだけパレスチナ人が虐げられているかを直に知ったアヴナーは、しだいに思い悩むようになる。淡々とテロリスト暗殺を実行していくアヴナーと仲間たちであったが、次の標的を狙い、ロンドンに到達すると、事態は思わぬ方向へ行くことになる。

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 ※ちなみに、現在、アヴナーは本名を変えてアメリカで暮らしていると言われている。

テロリスト・黒い九月 ミュンヘン

 「テロリスト・黒い九月 ミュンヘン」(原題:21 Hours At Munich)とは、実在したパレスチナのテロリストグループ「黒い九月」が、1972年に実際に引き起こしたミュンヘンオリンピックにおけるイスラエル・チーム惨殺テロ事件を映像化した映画のことである。

[ストーリー(あらすじ)]
 1960年代後半、ヨルダンに拠点を置くパレスチナ解放機構(PLO)の過激な実力的行動に手を焼いていたヨルダン国王フセイン1世は、パレスチナ解放機構(PLO)の下部組織であるパレスチナ解放人民戦線(PFLP)が、1970年9月に引き起こした5機の旅客機同時ハイジャック事件を契機に、PLOとPFLPに対して、武力的追放を決定し、ここにヨルダン内戦が勃発する。

 「黒い九月」事件とも呼ばれるこの内戦で、PLOは、多くのメンバーを殺され、国王派に追われる形でレバノンのベイルートに拠点を移すことになった。PLO内に拡がる衝撃度は大きく、フセイン国王の行為を国民への裏切り行為として強く反発した。そして、レバノンで活動を始めたPLOの最大派閥ファタハは、対イスラエル闘争の行き詰まりから、過激な活動を行うための秘密テロ組織を結成した。これが「黒い九月」(ブラックセプテンバー)と呼ばれるテロリスト集団である。

 1972年9月5日 、ドイツのミュンヘンオリンピック会場に武装した「黒い九月」メンバーが侵入、選手村にいたイスラエル選手とコーチ、計11名を殺害した。「黒い九月」の存在は、このミュンヘンオリンピック事件で一気に国際的に知れ渡り、イスラエル選手とコーチが殺害された事件はイスラエルに大きな衝撃を与えた。(ちなみに、その後、イスラエル諜報特務局は、この事件への報復として、「黒い九月」関係者の多くを暗殺している。)

 この映画は、実際にあったテロリストとミュンヘン警察当局の緊迫の21時間を描いたリアルサスペンス映画である。1970年代は、まさにテロルの季節であった。日本でも、連合赤軍によるあさま山荘事件やよど号ハイジャック事件などが起こり、世界中の左翼過激派による爆弾テロやハイジャックなどが各地で頻発し、一般市民を恐怖の感情の底に叩き落としていた。そんな時代の空気をまとったテロリストたちの淡々とした行動が恐い、おすすめの一本である。

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